Facebookは殺人鬼|古いウェブを次々と殺していくという意味でね。,
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Facebookは殺人鬼
Facebookは殺人鬼だ…
古いウェブを次々と殺していくという意味でね。
▼帝王Googleから、新生Facebookへと、
ウェブの力が変遷する過程を端的に言えば、
Googleは人間心理の細かいニュアンスやニーズを理解出来ないのだ。
たとえば、
「今から彼女と二回目のデートなのだけど
どんな服を着ていったらいいかわからない」
こういうことをGoogleで検索しても、明確な答えは出てこない。
「彼女 デート 2回目」とか検索しても、
PPCとかSEOで変なお兄系ファッションの
アフィリエイト・サイトが引っかかってくるのが関の山だろう。
その点、Facebookであれば回答するのは友達、つまり人間なので
とても柔軟な応えが帰ってくる。
友達が次々、
「彼女はどんな人?」
「どんな音楽が好き?」
「好きな色は?」
「森ガール?」
とか、細かいアドバイスをしてくれる(森ガール…)。
▼米Facebookが先日、
「Facebook Questions」を改良してラウンチした。
今度は、本気らしい。
Facebookの参加者や友人に質問ができるツールだ。
もちろん無料。
日本のQ&Aサービスでは
知恵袋、教えてgoo、はてな人力検索がシェアを担っているが
日本でもFacebookユーザーが増えて
Facebook Questionsが本格的に指導すれば
これらの既存ウェブは皆殺しにされる可能性が高い。
▼この流れで考えれば、
「Facebookレシピ」がクックパッドを殺し、
「Facebookオークション」がヤフオクを殺し、
「Facebookレビュー」がぐるなびを殺す…
というのは充分にありうる話だ。
既存のウェブを殺すのはGoogleの役割だったのだが、
これからはその役をFacebookが担っていくと思われる。
▼特に「Facebookオークション」が始動すれば面白いと思う。
できればあなたも、
実名+顔写真の付いている人から物を買いたいだろう。
誰が使ってたかわからない中古の食器なんて買いたくない。
たとえば容姿に優れた女性と
そうではない女性が
Facebookオークションに
同じ$340のD&Gのワンピースを出品していた場合、
容姿に優れた女性の出品に$40高い値がついたりすることが考えられる。
この$40は、「個人」が生み出した新しい価値だ。
また、
「こんな脂ぎった男が使っていたテーブルはいらない」とか言うOLとか、
「こんな女子高生が着ていた服なら買いたい」と言い出す変態男性とか、
商品ではない「個人」に価値を見出す人が出てくるだろう。
購入者と出品者の間の喧嘩とかね。
「おまえ新品同様とか言ってたけど、去年の日記に、
このギャルソンのシャツで鼻かんだって書いとるやんけ!」
とかチャットでモメたりね。
(こう考えると、今さらだけどヤフオクで物を買うのってけっこう怖いね)
こういう人間の細かい心理の分野は、
ますますGoogleが苦手とするところだ。
▼これからは「超個人」の時代だ。
個人が強大な力を持つに至る。
ツイッターを見ていたらよくわかるけど、
一般人が有名人や芸能人に同じ立場で喧嘩を売っている。
芸能人や有名人の権威はどんどん失墜していくだろう。
力が「個人」に移行しているのだ。
▼Web2.0とかそういうバズワードに終わらない驚異を
Facebookは秘めている。
この流れを考えれば、ウェブを覚えて
Facebook関係の開発を始めるというのは
けっこういい選択肢、だと思う。
(田中洋平)
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